2012年10月30日に発売した、湊かなえ先生が
「これを書けたら作家を辞めてもいい」とおっしゃった程の自信作
母性 を読んだ感想を書きたいと思います。
母性 (新潮文庫) [ 湊かなえ ] |
読んだきっかけ
大ファンである湊かなえ先生の作品ということで
他作品に続き、拝読しました。
内容紹介
女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。
母親は言葉を詰まらせる。
「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。
世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。
……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。
母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。
これは事故か、それとも――。
圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。
( 文庫本裏より引用 )
感想
私にとっては少し難しい話で、2回読んでようやく理解できました。
2回読んでようやく理解できた、というのには、私が最初に読んだ際に勘違いしてしまった点がありました。
それは、最初の章で登場した「娘の自殺」とそれ以外の章での出来事が同じ家族の回想シーンであると思ってしまったことです。
もしかしたら同じ勘違いをしてしまう方がいらっしゃるかもしれないので
読むときに注意する点、として紹介しておきますが、
最初の章での「娘の自殺」とそれ以外の章での話は別の家族のお話 です。
女には「母」と「娘」の二種類がいる。
ここで登場する母は、母親の娘であり、娘の母でもある。
自分の母親に依存し、それによって歪んだ母性を持つ母と、
そんな母に愛されたいと苦しむ娘の話。
「私はこんなにもあなたを想っているのに、どうして分かってくれないの?」
章ごとに「母親からの目線」「娘からの目線」…と、描かれていて
そのたびにすれ違い様が明らかになるような構成です。
そしてこちらの作品、母性は
「湊かなえ先生の作品の中で最もモヤモヤする」という意見が非常に多い作品です。
読み終わった後の「話が一本に繋がった!」という感動が
他作品に比べてあまり感じられなかったというのがまずひとつ。
「母性とはなにか」 「愛とはなにか」。
「言葉にしなくたって伝わっているだろう」
という思い込みからすれ違いが生じてしまう…
たくさんのことを考えさせられる作品でした。
ハマる人にはハマる、ハマらない人にはハマらないようなお話。
ちなみにですが、私にはあまりハマらないお話でした。
自分が母親になってみないと分からないこともあるのかもしれませんね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
プロフィール
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写真撮影と読書が趣味のうさぎです。ブログを通じてたくさんの方に、素敵な風景や物語を知ってもらえたらいいなと思っています。
恋するうさぎという名前でお店もやっています(´っ。• x •。c` )♡
初心者ですが、よろしくお願い致します♪
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